2017年01月08日

専業主婦の約8割は「iDeCoを知らない」という調査結果が発表へ

平成29年(2017年)1月4日の@DIMEを読んでいたら、老後の資金は5000万円でも足りない?主婦の9割が「老後に不安」と題した記事が掲載されておりましたが、一部を紹介すると次のようになります。

『老後に不安を抱える主婦がとっている対策は、約5割が資金の貯蓄を挙げ最も多い結果になった。

ただし、老後対策として貯蓄を選択する主婦が多い中、金利に満足している人はほとんどおらず、普通預金、定期預金を利用している人のうち、金利が低く「大変不満」が約6割、「不満」が約4割を占めた。

2位は「生活費の節約」となり、できるだけ無駄にお金を使わないようにしていることがわかる。

さらに3位に「現在特に準備はしていない」がランクイン。約3.5割の主婦が老後を不安に思いつつも、対策ができていない状況のようだ』

『「老後にいくらあると安心か」という質問に対しては、「300〜5000万円以上」でいくつかの選択肢を提示したところ、2位の「5000万円以上」の約14%をおさえて、「いくらでも安心できない」が約3割で断トツとなった』

『2017年1月に主婦にも解禁されるiDeCoだが、利用意向については、「利用してみたい」が、2割強にとどまる結果となった。

そもそもiDeCoについて知らない主婦が8割を超え、未だに認知が進んでいない現状が明らかとなった』

以上のようになりますが、この記事はSBI証券が平成28年(2016年)12月6日から12月7日に、20代から40代の専業主婦450名(各世代で150名)を対象に実施した、「老後のお金に関する調査」について紹介したものです。

老後資金に対する最新の意識がわかる、とても興味深い調査だと思いましたが、個人的な意見を記載すると次のようになります。

(1)老後資金の準備は女性の方が進んでいる
フィデリティ退職・投資教育研究所が数年間に渡り、サラリーマン1万人に対して、「退職後の生活資金として用意できている金額」という質問を行いました。

その質問に対して「何も準備していない」、つまり0円と回答した方の割合は、「フィデリティ退職・ 投資教育研究所レポート(2016.05)」によると、次のように推移しております。

平成22年(2010年):44.3%
平成25年(2013年):40.3%
平成26年(2014年):40.8%
平成27年(2015年):40.8%
平成28年(2016年):39.7%

これと同じような調査は、7月7日のブログに記載しましたように、内閣府も実施しております。

この内閣府の調査によると、50代までに老後の経済的な備えを特に何もしていない方は、42.7%もいるという結果になりました。

これらから考えると日本人の約4割は、公的年金などに対して不安があるにもかかわらず、老後資金の準備を何もしていないという事になります。

しかしこのSBI証券の調査では、老後資金を準備していない方は約3.5割(正確には34.9%)に止まり、老後資金の準備は女性の方が進んでいる事がわかります。

ただ女性は男性より、安全性の高い金融商品(例えば普通預金、定期預金など)を好む傾向があるため、現在のような金利の低い状況では、老後資金は思ったように貯まっていないと推測されるのです。

(2)漠然とした不安を具体的な不安に変える
冒頭に記載しましたように、「老後にいくらあると安心か」という質問に対しては、約3割(正確には31.1%)の方が、「いくらでも安心できない」と回答しており、これが2位の「5000万円以上」を抑えて、1位になったようです。

このような結果になった理由としては、7月24日のブログに記載したようなプロセスで、自分が老後に必要とする金額や、それに対して不足する金額(つまり貯蓄の目標額)を、計算した事がないからだと思うのです。

まずはこのような金額を算出をして、老後資金に対する漠然とした不安を、具体的な不安に変えていく必要があると思います。

そうしないと老後資金を貯めるため、必要以上の過度な節約をしてしまい、現在の楽しみを犠牲にしてしまう可能性があるからです。

(3)専業主婦の約8割がiDeCoを知らないのはおかしい
確定拠出年金には企業型と個人型があり、このうちの個人型は公募によって、iDeCo(イデコ)という愛称に決まりました。

この確定拠出年金という制度は、平成13年(2001年)からスタートしており、すでに16年の歴史があります。

また現在は専業主婦であっても、以前は正社員だった方もおり、その時に働いていた会社が、企業型の確定拠出年金を実施していた場合もあるはずです

ですから約8割(正確には84.0%)の方が、iDeCoを知らないと回答しているのは、少しおかしいと思いました。

ところで朝日新聞の記事によると、12月25日のブログに記載しましたように、企業型の確定拠出年金の個人別管理資産を放置している方は、平成28年(2016年)3月末時点で約57万人もおり、その合計金額は1428億円にも達するそうです。

企業型の確定拠出年金を実施する会社で働いていたのに、iDeCoを知らないと回答した方は、このように個人別管理資産を放置している可能性があるので、これをきちんと移管して自分のものにする事も、老後対策のひとつになると思うのです。

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posted by FPきむ at 20:57 | 確定拠出年金で自分年金を作る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月25日

政府は「休眠預金」の次に「休眠確定拠出年金」を没収すると予想する

平成28年(2016年)11月24日の朝日新聞を読んでいたら、確定拠出年金1428億円塩漬け 転職時など手続きなくと題した記事が掲載されておりましたが、一部を紹介すると次のようになります。

『企業が設けている確定拠出年金(DC、加入者約548万人)で、運用されずに放置されている年金の預かり資産が1400億円を超えていることが分かった。

DCの加入者が転職時などに必要な手続きを取らなかったためだ。資産は厚生労働省が所管する国民年金基金連合会(国基連)に移されて「塩漬け」になり、老後資金を運用する機会を逃している。

国基連や金融機関への取材で判明した。放置されている資産は、2016年3月末で約57万人分、1428億円にのぼり、前年より約207億円増加。この5年間で2・6倍になった。

資産が「塩漬け」になっている恐れがあるのは、転職で勤務先の企業が変わったり、会社勤めを辞めて自ら事業を始めたりした人ら。

確定拠出年金法では、企業が設けたDCの加入者が、DCを設けていない会社へ転職したり、自営業に変わったりした場合、個人型DCへの切り替えや、加入の状況によっては一時金受け取りの手続きを6カ月以内にとる必要がある。

手続きをとらなければ、資産は国基連に自動的に移される。この資産は、運用されないので利息がつかないうえ、1口座につき約4千円の手数料や年約600円の管理手数料を差し引かれて目減りしていく』

以上のようになりますが、日本人は老後資金に関して、「思考と行動が別」であると、以前から考えております。

つまり多くの方が老後に対して不安を感じているのに、老後資金は十分に準備していないのです。

例えば内閣府が編集している「高齢社会白書」によると、50代までに老後の経済生活の備えを何もしていない日本人は、7月7日のブログに記載しましたように、42.7%もいるのです。

老後資金を準備しないのではなくて、金銭的な余裕がなくて準備できないと、反論する方がいるかもしれません。

しかしこの記事に記載されている、企業型の確定拠出年金の掛金を拠出するのは、お勤めしている会社です。

また個人型の確定拠出年金の口座を開設した後に発生する手数料は、会社が拠出した掛金と、その運用益で構成された、「個人別管理資産」から差し引かれるので、別途で負担する必要はありません。

そうなると金銭的な理由ではなく、老後資金に関しては「思考と行動が別」という理由で、国民年金基金連合会に移された個人別管理資産を、塩漬けにしているとしか思えないのです。

この塩漬け問題の解決策として、実施が予定されているのは、確定拠出年金に対するマイナンバーの適用です。

マイナンバーが適用されると、例えば転職や結婚のために住所を変更しても、住民票をきちんと移していれば、国民年金基金連合会は個人別管理資産を塩漬けにしている方の、新住所を把握するのが容易になります。

しかし国民年金基金連合会が新住所を把握できるようになり、個人別管理資産を移管して下さいと催促できるようになっても、塩漬けにしている方が移管に対してやる気を出さなければ、今までと全く変わりがありません。

ところで平成28年(2016年)12月2日に、原則10年以上に渡って入出金がない「休眠預金」を、民間公益活動の財源に活用できるようにする「休眠預金活用法」が、参院本会議で可決され、成立しました。

この法律は公布から1年半以内に全面施行される予定で、これにより毎年1000億円くらいは発生する休眠預金の半数程度になる、年500億円〜600億円が、NPO法人や自治会などに助成されたり、融資されたりします。

たとえ民間公益活動の財源に活用されるといっても、政府が国民の預金を勝手に没収するのですから、年金カット法案などと同じように、可決まで時間がかかると思っておりましたが、意外とあっさりと可決されました。

これはあくまで個人的な予想ですが、休眠預金で味を占めた政府は、次に活用できそうなものを探しており、それは塩漬けにされた企業型の確定拠出年金の個人別管理資産になると思うのです。

確定拠出年金にマイナンバーが適用されると、国民年金基金連合会が新住所を把握するのが容易になるので、没収する前に個人別管理資産の移管を催促したという、言い訳ができるようになります。

またこのままのペースで、個人別管理資産を塩漬けにする方が増え続けると、これの管理や移管の催促のために使う費用が膨大になり、国民年金基金連合会の財政に負担を与えます。

それに加えて預金は自分で貯めたものですが、企業型の確定拠出年金の掛金は上記のように、退職する前にお勤めしていた会社が拠出したものですから、預金より国民の反発は少ないはずです。

このように考えていくと、塩漬けにされた企業型の確定拠出年金の個人別管理資産を、民間公益活動の財源に活用するのは、休眠預金の活用よりもハードルが低いと思うのです。

だからといって特に恐れる必要はなく、個人型の確定拠出年金の口座を開設して、そこに個人別管理資産を移管すれば、没収される事はありません。

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