「ねんきんネット」とは平成23年(2011年)2月から日本年金機構が
始めた、インターネットで自分の年金記録を確認できるサービスです。
ねんきんネットを利用するためには、少しだけ面倒な登録手続きがあ
りますが、従来からある「ねんきん特別便」や「ねんきん定期便」より
優れている点が沢山あり、非常にメリットの多いサービスです。
登録手続きなどについては日本年金機構のサイトの中にある、「ねん
きんネットサービス」のページを見ていただきたいと思いますが、今回
はねんきんネットの活用法について紹介してみたいと思います。
(1)年金を繰り上げするか、繰り下げするかの判断材料になる
数日前に近所の本屋さんへ行ったら、森永卓郎さんの「年金は60歳
からもらえ 繰り上げ受給は、デフレ時代の賢い選択
積みにされておりました。
その時は購入しませんでしたが、森永卓郎さんの本は勉強になる部
分が多く、ほとんどの本を読んでおりますので、次回は購入したいと
思いました。
前置きが長くなってしまいましたが原則65歳から支給される年金を、
60歳から繰り上げ受給した方が良いのか、それとも70歳まで繰下
げ受給した方が良いのか、迷っている方も多いかと思います。
ちなみに年金を繰り上げて受給すると、1ヶ月早めるごとに0.5%ず
つ減額されるので、60歳から繰り上げ受給した場合には、65歳から
受給できる金額の70%を、死亡するまで受給する事になります。
また年金を繰り下げて受給すると、1ヶ月遅くするごとに0.7%ずつ増
額されるので、70歳まで繰り下げ受給した場合には、65歳から受給
できる金額の142%を、死亡するまで受給する事になります。
ねんきんネットが従来からあるねんきん特別便や、ねんきん定期便
より優れている点は、繰り上げした場合や繰り下げした場合の年金見
込額を、コンピューターが計算してくれる点です。
しかもねんきんネットは直近の保険料の支払日から、1ヶ月程度が経
過すると年金見込額に反映されるので、ねんきん定期便を使って電卓
で計算するより正確な金額になります。
ですからねんきんネットは繰り上げ受給するか、繰り下げ受給するか
を判断する時に、有力な判断材料になります。
(2)60歳以降の月給をいくらにすれば良いかの目安額がわかる
厚生年金保険に加入し会社員として働いていた方が、60歳以降も厚
生年金保険に加入し会社員として働き続けた場合、月給が多くなると
年金の全部もしくは一部が不支給となってしまいます。
注:60歳以降は厚生年金保険に加入しなかった場合(例えば社員か
らパートに雇用形態を変更)、独立して自営業者になった場合、公務
員になり共済組合に加入した場合には、月給がいくらになっても年金
は不支給になりません。
ですから年金を100%受給するためには、月給が多すぎにならない
ように調整する必要がありますが、ねんきんネットでは月給の増減に
より年金額がどのように変動するのか、コンピューターが計算してくれ
るので、60歳以降の月給をいくらにすれば良いかの目安額がわかり
ます。
しかし60歳から65歳までの間に支給される月給が、60歳時点の月
給と比べて75%未満に低下すると雇用保険から、高年齢雇用継続
基本給付金が支給される場合がありますが、この給付金が支給され
る事による年金額の変動については、ねんきんネットでは計算できま
せん。
また一旦退職した方が60歳から65歳までの間に再就職し、雇用保
険の被保険者になり、その時点の月給が60歳時点の月給と比べて
75%未満に低下すると、高年齢再就職給付金が支給される場合が
ありますが、この給付金が支給される事による年金額の変動につい
ても、ねんきんネットでは計算できません。
ただ60歳から65歳までの間に支給される年金は段階的になくなっ
ていき、昭和36年(女性は昭和41年)4月2日以降に生まれた方か
ら、65歳になるまで何も支給されなくなります。
ですから65歳になるまでしか支給されない上記2つの給付金と年金
を、同時に受給する事は今度なくなりますので、給付金と年金の併給
調整については、ねんきんネットで計算できなくても、あまり困らない
と思います。
なお高年齢雇用継続基本給付金と高年齢再就職給付金の詳細につ
いては、千葉労働局の「高年齢雇用継続給付について」を参照して下
さい。
(3)生命保険の死亡保険金をいくらにするかの目安額がわかる
10月19日のブログではねんきん特別便やねんきん定期便を活用し
た、生命保険の死亡保険金の目安額を計算する方法について紹介し
ました。
この方法の弱点としてねんきん定期便は、1年に1回しか発行されな
いので、年金見込額に反映されない年金記録が、数ヶ月も発生してし
まう点です。
しかしねんきんネットは先ほども書きましたように、直近の保険料の支
払日から1ヶ月程度が経過すると年金見込額に反映されるので、より
正確な死亡保険金の目安額を計算できます。
(4)年金記録の漏れや誤りが発見しやすい
ねんきん特別便やねんきん定期便に記載されている年金記録に、漏
れや誤りがあっても、それを発見できずに放置されているケースが結
構あるのです。
しかしねんきんネットでは「未加入期間」や「年金記録の重複がある期
間」、「標準報酬月額が大きく変動した期間」など、特に確認したい部分
が強調表示されるので、年金記録の漏れや誤りが発見しやすくなるの
です。
標準報酬月額の意味と、それを確認する必要性については、4月3日
のブログに紹介しましたが、昇給や降級もないのに標準報酬月額が大
きく変動するのは、通常はあまり考えられません。
以上がねんきんネットの活用法の一部になりますが、年金事務所など
での年金相談は時間がかかる場合が多いですので、自宅で詳細な年
金記録が確認できるねんきんネットは、お仕事が忙しい方に特に利用
していただきたいサービスです。
関連記事:
「がっちりアカデミー!!」で年金の特集
65歳完全定年制時代が到来した場合の経営者側の対策
第3号被保険者の年金切り替え漏れ問題に結論
法人でも厚生年金に強制加入しない場合がある
2号期間と重複した後の3号期間を保険料納付済期間へ









