2019年04月18日

所ジョージさんの年金はマイナスでも、年金の受給では恵まれている世代

平成31年(2019年)4月5日のスマートフラッシュを読んでいたら、所ジョージの年金事情「介護保険料が高くてマイナス4000円」と題した記事が掲載されておりましたが、一部を紹介すると次のようになります。

『所ジョージが、4月3日放送の『ホンマでっか!?TV 2時間SP』(フジテレビ系)にゲスト出演して年金事情を語った。

ブラックマヨネーズ小杉竜一が「所さんて、老後どこまで働くか決めてるんですか?」と質問すると、所は「決めてない」とコメント。だが「悲しい出来事がある」と、自身の年金について話し始めた。

所は「稼ぎがいい人の年金は4万7000円しかもらえない」と明かして、「デビューしたとき、給料が10万円でも年金を納めてきたのに……」と愚痴り出した。

年金は孫と遊ぶため自由に使えるお金として期待していたが、介護保険料として5万1000円支払っており、「年金から自動的に取りますっていうのよ。足んねえじゃん」と、年金が入っても、介護保険料のせいでマイナス4000円になることを嘆いていた』

以上のようになりますが、この記事を最初に読んだ時、所さんが受給している4万7,000円の年金の中身が、すごく気になってしまいました。

芸能人は自分の収入を「事業所得」で申告する、個人事業主という印象があり、個人事業主であれば公的医療保険は「国民健康保険」、公的年金は「国民年金」に加入しております。

この国民年金から原則65歳になると支給される老齢基礎年金は、20歳から60歳になるまでの40年間に渡って、一度も欠かす事なく保険料を納付した場合、満額で780,100円(平成31年度額)になるため、1ヶ月では65,008円です。

また老齢基礎年金を繰上げ受給した場合、60歳から65歳になるまでの、希望する時期から受給できますが、1ヶ月早めるごとに0.5%の割合で減額されます。

昭和30年(1955年)1月26日生まれで、現在64歳になる所さんは、この繰上げ受給を利用して、減額された老齢基礎年金を、65歳になる前に受給しているのかと思いました。

しかし改めて冒頭の記事を読んでみると、「稼ぎがいい人の年金は4万7000円しかもらえない」と記載されていたので、この推測は間違っているような気がします。

法人(株式会社、有限会社など)であれば、社長1名のみで従業員が誰もいない会社でも、社会保険(健康保険、厚生年金保険など)に加入する必要があります。

また所さんは個人事務所を法人化しているため、公的医療保険は「健康保険」、公的年金は70歳まで加入する義務がある「厚生年金保険」に、加入しているのではないかと思うのです。

この厚生年金保険に加入している場合は、原則65歳になった時に、国民年金から支給される老齢基礎年金に加えて、厚生年金保険から老齢厚生年金が支給されます。

また現在は60歳だった老齢厚生年金の支給開始年齢を、段階的に65歳へ引き上げしている最中のため、65歳になる前に老齢厚生年金を受給できる方がおります。

65歳になる前に支給される老齢厚生年金は、「特別支給の老齢厚生年金」と呼ばれており、男性の支給開始年齢(女性は5年遅れで引き上げ)は、次のようになっております。

・昭和28年4月1日以前に生まれた方:60歳
・昭和28年4月2日〜昭和30年4月1日に生まれた方:61歳
・昭和30年4月2日〜昭和32年4月1日に生まれた方:62歳
・昭和32年4月2日〜昭和34年4月1日に生まれた方:63歳
・昭和34年4月2日〜昭和36年4月1日に生まれた方:64歳
・昭和36年4月2日以降に生まれた方:65歳

生年月日から考えて所さんは、支給開始年齢までの月給や賞与の平均額と、厚生年金保険の加入月数で金額が決まる特別支給の老齢厚生年金を、61歳から受給していると思うのです。

また年金の月額と「月給+賞与の12分の1」の合計額が、一定額(現在は28万円)を超えると、「在職老齢年金」の仕組みにより、特別支給の老齢厚生年金の全部または一部が支給停止になります。

冒頭の記事の中に記載されている、「稼ぎがいい人の年金は4万7000円しかもらえない」という愚痴は、この在職老齢年金が原因だと思います。

ただ年金から介護保険の保険料が天引きされるのは、65歳になってからであり、現在は健康保険や厚生年金保険の保険料と同じように、給与から天引きされているはずです。

ですから「年金から自動的に取りますっていうのよ。足んねえじゃん」という愚痴は、おそらく誤解ではないかと思います。

ところで国民年金の保険料は、現在は16,410円ですが、所さんが20歳になった昭和50年(1975年)は1,100円でした。

デビューした当時の月給が10万円だったとしても、保険料の金額が1,100円だったら、それほど負担はないような気がします。

また上記のように原則65歳から支給される老齢厚生年金を、61歳から受給していると推測されます。

そうなると所さんは、在職老齢年金の仕組みにより、特別支給の老齢厚生年金の一部が支給停止になったとしても、年金の受給では恵まれている世代だと思うのです。
posted by FPきむ at 20:42 | 年金について思うこと、考えること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月04日

中高年のひきこもり調査を見ると、障害年金を請求できる可能性を感じる



平成31年(2019年)3月29日の日本経済新聞を読んでいたら、中高年ひきこもり61万人 内閣府が初調査と題した記事が掲載されておりましたが、一部を紹介すると次のようになります。

『内閣府は29日、自宅に半年以上閉じこもっている「ひきこもり」の40〜64歳が、全国で推計61万3千人いるとの調査結果を発表した。

7割以上が男性で、ひきこもりの期間は7年以上が半数を占めた。15〜39歳の推計54万1千人を上回り、ひきこもりの高齢化、長期化が鮮明になった。中高年層を対象にしたひきこもりの調査は初めて。

内閣府はひきこもりを、自室や家からほとんど出ない状態に加え、趣味の用事や近所のコンビニ以外に外出しない状態が6カ月以上続く場合と定義。

専業主婦・主夫は過去の同種調査では含めなかったが、今回は家族以外との接触が少ない人はひきこもりに含めた。

調査は2018年12月、全国で無作為抽出した40〜64歳の男女5千人に訪問で実施。3248人から回答を得た。人口データを掛け合わせて全体の人数を推計した。

ひきこもりに該当したのは回答者の1.45%。ひきこもりになった年齢は60〜64歳が17%で最も多かったが、20〜24歳も13%と大きな偏りはみられない。きっかけは「退職」が最多で「人間関係」「病気」が続いた。

40〜44歳の層では就職活動の時期にひきこもりが始まった人が目立つ。内閣府の担当者は、いわゆる就職氷河期だったことが影響した可能性もあるとの見方を示した。

ひきこもり期間は「3〜5年」が21%で最多。7年以上となる人が合計で約5割を占め、「30年以上」も6%いた。

子供の頃からひきこもりの状態が続く人のほか、定年退職により社会との接点を失うケースがあることがうかがえる』

以上のようになりますが、調査結果の概要は内閣府が作成した、「生活状況に関する調査 概要」に記載されております。

この調査概要を読んでみると、初めてひきこもりの状態になった年齢は、60〜64歳が最多の17%だとわかります。

ただこの年齢層の方は、老齢年金(老齢基礎年金、老齢厚生年金など)をすでに受給している、またはもうすぐ受給するはずです。

また現役時代に蓄えた預貯金や退職金があるため、ひきこもりの状態が続いたとしても、少なくとも経済的には困らないと思います。

一方で初めてひきこもりの状態になった年齢が、40〜44歳は12.8%となり、上記の60〜64歳より少ないですが、こちらの方が経済的な問題が起きると考えられます。

その理由として将来的に、家計を支える親が死亡した場合には、収入源がなくなってしまうからです。

ですから早いうちに何らかの収入源を、確保しておく必要があると思うのですが、何年もひきこもっていた方がいきなり外で働くのは、かなり大変な事だと思います。

そこで在宅ワーク、クラウドソーシング、内職などのキーワードで検索すると出てくる、外に出なくてもできる仕事にチャレンジしてみるのです。

高度な技能がない場合には、外で働くより稼げないかもしれませんが、収入がゼロよりは良いと思うのです。

また親などが代わりに納付してくれる場合を除き、国民年金の保険料の免除はしっかりと受けておきます。

この免除申請は郵送でも可能なため、手続きのために市役所などに行く必要はありません。

もし全額免除が認められ、かつ年収が98万円未満の場合には、所得税や住民税は課税されず、また国民健康保険は月に数千円の均等割だけになるため、税金や保険料の負担はほとんどなくなります。

そのため稼いだ収入の多くを、衣食住のために使えるため、生きていくために必要となる最低限の収入を抑えられるのです。

なお外に出なくてもできる仕事以外の収入源としては、一定の要件を満たすと公的年金から支給される、障害年金(障害基礎年金、障害厚生年金など)が候補になります。

このように考える理由としては、冒頭の記事によると、ひきこもりになった理由の上位5つは次のようになっているため、病気が原因でひきこもりになった方は意外に多いのです。

・退職した(36.2%)
・人間関係が上手くいかなかった(21.3%)
・病気(21.3%)
・職場になじめなかった(19.1%)
・就職活動がうまくいかなかった(6.4%)

また上記の調査概要によると、ひきこもりになった方の44.7%は、誰にも相談していないようです。

そうなると障害年金を請求すれば受給できるのに、手続きをしていない可能性があります。

ですから年金事務所やNPO法人障害年金支援ネットワークなどの専門機関に、相談してみるのが良いと思います。

このような専門機関の他に、実際に障害年金を請求した経験が綴られた、安心ひきこもりライフ(著:勝山実)という本なども、参考になると思います。
posted by FPきむ at 20:03 | 年金について思うこと、考えること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする