2021年09月05日

ねんきん定期便を知らない13%は、麻生副総理とレベルが同じだと思う

平成21年(2009年)4月以降は、公的年金の加入履歴、保険料の納付状況、将来に受給できる年金の見込額などが記載された「ねんきん定期便」が、毎年誕生月に郵送されます。

また現在のねんきん定期便は、節目年齢(35歳、45歳、59歳)が封書、これ以外はハガキになっております。

昔は公的年金の加入履歴などを確認するのが難しかったため、ねんきん定期便はとても良い制度だと思うのですが、どのくらいの方がきちんと中身を確認しているのでしょうか?

これに関しては平成29年(2017年)10月に実施された、男女600名を対象にして実施した、老後資金、4割以上は公的年金・2割は預貯金やタンス預金のみ!「年金は65歳から」を3割は知らない!年金制度に関するアンケート調査を見ると、ある程度の目安がわかります。

この中の「ねんきん定期便をチェックしていますか。」という質問に対する回答を見てみると、次のようになっております。

はい:59.0%
いいえ:28.0%
ねんきん定期便を知らない:13.0%

調査対象者の59%が「はい」と回答しているため、6割くらいの方はねんきん定期便の中身を、きちんと確認しているようです。

一方で28%は「いいえ」と回答しているため、3割くらいの方はねんきん定期便が届いても、中身を確認していないようです。

こういった調査結果には、あまり驚きを感じなかったのですが、ねんきん定期便を知らない方が13%もいた点には、かなりの驚きを感じました。

約2年前に「老後2,000万円問題」が発生した時、麻生副総理は野党議員から、自身の年金受給について質問を受けました。

この時に麻生副総理は、「年金受給について記憶にない、秘書に任せている」といった感じの回答をしていたと思います。

個人的にはかなりの驚きを感じましたが、麻生副総理クラスのお金持ちになると、年金程度のはした金は、どうでも良いのかもしれません。

またこの時に感じた驚きは、ねんきん定期便を知らない方が13%もいるのを知った時と、同じくらいのレベルでした。

ねんきん定期便を知らない13%の方が、麻生副総理のようなお金持ちだったら、あまり問題はないと思います。

一方で高齢になったら年金が主な収入源になるような方が、ねんきん定期便を知らないとしたら、かなり問題があるような気がするのです。

その理由として、実際に年金を受け取るまで、自身の老後の収入がいくらになるのかが、まったくわからないからです。

また自身の老後の収入がわからなければ、どのくらい不足するのかがわからないため、対策を立てられないからです。

ねんきん定期便を知らないが13%もいる理由について、改めて考えてみたら、ねんきん定期便が届いていないのでは?という疑問が、頭の中に浮かんできました。

この疑問が正しいとしたら、日本年金機構はその方の住所を把握していない事になり、これは別の意味で問題があると思うのです。

その理由として日本年金機構が住所を把握していないという事は、年金請求書などの重要な書類が、自宅に届かなくなってしまうからです。

冒頭で紹介した調査を見てみると、年金は原則として65歳から支給されるという事実を知らない方が、3割くらいはいるとわかります。

こういった方のところに年金請求書が届かなかったら、ずっと年金の請求を忘れてしまう可能性があります。

また年金の請求を忘れたまま5年が経過すると、時効によって受給できない年金が発生するのです。

こういった点からも、ねんきん定期便が届かないという事実は、問題があると思うのです。

平成30年(2018年)3月以降は、基礎年金番号とマイナンバーが紐づけされたため、日本年金機構が住所変更を把握しやすくなりました。

これを受けて、基礎年金番号とマイナンバーが紐づけされた方については、住所変更の届出が不要になっております。

こういった事情があるため、冒頭で紹介した調査が実施された時よりも、ねんきん定期便が届かないケースは、減っている可能性があります。

ただそれでもゼロではないと思うので、ねんきん定期便が誕生月に届かなかった時には、住所地の年金事務所に問い合わせてみましょう。
posted by FPきむ at 20:04 | 年金について思うこと、考えること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月01日

令和2年(2020年)度の年金積立金の運用成績が、過去最高を更新へ

令和3年(2021年)7月2日の朝日新聞を読んでいたら、年金運用益、過去最高の37兆円 20年度、株高が寄与と題した記事が掲載されておりましたが、一部を紹介すると次のようになります。

『2020年度の公的年金の積立金運用益は、37兆7986億円と過去最高の黒字となった。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2日発表した。

黒字は2年ぶりで、新型コロナウイルスの感染拡大による株価急落で8兆円超の赤字となった前年度から一転して、世界的な株価上昇の恩恵を受けた。

厚生労働省が所管するGPIFは、現役世代が納めた年金保険料のうち、年金の支払いに充てられなかった分を国内外の株式や債券で運用している。

少子高齢化によって、現役世代の保険料負担を将来的に一部軽減させる目的がある。

20年初めに新型コロナの急拡大で世界的に株が急落し、19年度は8兆2831億円の大幅な運用損を記録した。

だが、20年度に入ると各国が積極的な財政出動や金融緩和に動いたほか、ワクチン普及への期待感もあって株価は値上がりを続けた。

日経平均株価と米国の代表的な指標のダウ工業株平均はいずれも、20年度に約50%上昇した。

20年度の資産別の運用益は、外国株式が20兆6658億円、国内株式が14兆6989億円、外国債券が2兆6738億円。国内債券だけが2398億円の運用損だった』

以上のようになりますが、年金積立金が37兆7,986億円という、過去最高の運用益を残した事実は、ほとんど知られていないような気がします。

この理由について考えてみると、不安を煽りたいマスコミにとっては、つまらないニュースになるため、あまり取り上げなかったからだと思います。

一方で過去最高の運用損になったとしたら、不安を煽りたいマスコミにとっては、おいしいニュースになったので、大々的に取り上げたはずです。

マスコミがあまり取り上げなかった、年金積立金に関するもうひとつのニュースは、資産配分に再び変更があったというものです。

年金積立金の運用は安全が大切なため、「国内債券:60%、国内株式:12%、外国債券:11%、外国株式:12%、短期資産:5%」というように、資産の大部分を国内債券で運用してきました。

しかし平成26年(2014年)10月から、「国内債券:35%、国内株式:25%、外国債券:15%、外国株式:25%」に変更されたのです。

このように株式の割合が引き上げされたのは、株価の上昇を重視する、安倍元総理の意向があったからのようです。

株式の割合が引き上げされた後は、四半期ベースで過去最大の運用損を記録する事が何度もあったので、不安を煽りたいマスコミは、よく取り上げておりました。

そのため平成26年(2014年)10月から、株式の割合が引き上げされたという話は、けっこう知られていると思います。

一方で令和2年(2020年)4月から、再び資産配分が変更され、「国内債券:25%、国内株式:25%、外国債券:25%、外国株式:25%」という均等配分になった事実は、あまり知られていないような気がするのです。

この理由について考えてみると、平成26年(2014年)10月からの変更と比較すると、小幅な変更に止まったからだと思います。

また令和2年(2020年)4月に資産配分が変更になった後に、世界的な株価の上昇が起きたからだと思います。

これだと不安を煽りたいマスコミにとっては、つまらないニュースになるので、あまり取り上げません。

その結果として令和2年(2020年)4月からの資産配分の変更が、あまり知られなかったのです。

今後の年金積立金の見通しについて考えてみると、短期的には浮き沈みがあっても、長期的には安定した成績を残すと思います。

その理由として「eMAXISバランス(4資産均等型)」という、年金積立金と同じように4資産に均等配分した投資信託の5年間の収益率が、7.92%(年率)だったからです。

また5年間のシャープレシオ(リスクに見合うリターンを上げているのかを、確認するための指標)が1.02となり、優秀な投資信託の目安とされる1を超えていた点も、安定した成績を予感させます。

もちろん過去の成績が良いからといって、将来も良い成績を残すとは限りません。

ですから各人がeMAXISバランス(4資産均等型)などの、4資産に均等配分した投資信託に投資する場合には、一括投資するのではなく、つみたてNISAなどを活用して積立投資するのです。

こうすると資産だけでなく、投資のタイミングも分散されるため、より安全性が高まると思います。
posted by FPきむ at 20:37 | 年金の最新情報と法改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする