2020年06月03日

社会保険がどのように改正されるのかは、「2」と「5」がヒントになる

令和2年(2020年)5月29日の産経新聞を読んでいたら、年金改革法が成立 パートらへの適用拡大へと題した記事が掲載されておりましたが、一部を紹介すると次のようになります。

『パートら短時間労働者への厚生年金の適用拡大を柱とする年金制度改革関連法は29日の参院本会議で、与党や立憲民主党などの賛成多数により可決、成立した。

パート労働者らが将来受け取る年金額の底上げを図るとともに、制度の支え手を増やす狙いがある。関連法には高齢者就労を促す政策も盛り込まれており、少子高齢化を反映させた制度変更となる。

パートら短時間で働く人は現在、従業員501人以上の企業で週20時間以上働くことなどが加入要件となっている。

これらのうち企業規模要件を令和4年10月に「101人以上」、6年10月に「51人以上」に2段階で引き上げる。政府の試算では51人以上の企業が対象になると、新たに65万人が加入することになる。

公的年金の受け取り開始時期については65歳が基本で、現在、60〜70歳までの間で選べる。高齢者の就労意欲を促すため、上限を75歳まで引き上げる。

65歳に受け取りを開始する人に比べ、75歳からだと毎月の年金額が84%増える。4年4月から開始する』

以上のようになりますが、平成28年(2016年)10月からは、次のような要件をすべて満たすと、パートなどの短時間労働者でも、社会保険(健康保険、厚生年金保険)に加入するようになりました。

A:1週間あたりの勤務時間が20時間以上
B:月額賃金が8万8,000円以上(年収にすると106万円以上)
C:勤務期間が1年以上
D:学生でない
E:従業員数が501人以上の企業に勤務している

また平成29年(2017年)4月から、労使(労働者と使用者)の合意がある場合には、従業員数が500人以下の企業でも、社会保険に加入するようになりました。

つまり(E)の要件が少しだけ変更され、それと共に社会保険の加入者が、以前より増えたのです。

ただ想定よりは増えなかったので、冒頭の記事の中に記載したような改正を、実施する事になったようです。

これにより(E)の要件は段階的に、次のように変わっていくため、該当する企業の方は注意する必要があります。

■令和4年(2022年)10月〜
「従業員数が501人以上の企業」から、「従業員数が101人以上の企業」に変更されるため、従業員数が100人以下の企業であれば、以前と同じように社会保険に加入する必要はありません。

■令和6年(2024年)10月〜
「従業員数が101人以上の企業」から、「従業員数が51人以上の企業」に変更されるため、従業員数が50人以下の企業であれば、以前と同じように社会保険に加入する必要はありません。

以上のようになりますが、令和4年(2022年)と令和6年(2024年)に改正が実施されるため、最初の改正から2年後に、次の改正が実施されるようです。

そうなると次に改正が実施されるとしたら、2年後の令和8年(2026年)になりそうな気がします。

また「501人以上、51人以上」というように、「5」という数字が何度も登場しております。

これに加えて「501人以上→101人以上」は約5分の1になるため、令和8年(2026年)10月になると、「従業員数が5人以上の企業」になりそうな気がするのです。

それはこじつけ過ぎるという反論があるかもしれないので、もうひとつの根拠を示したいと思います。

例えば次のような事業所は、社会保険へ加入する事が、法律で義務付けられているのです。

・法人(株式会社など)の事業所

常時5人以上の従業員を雇用している、個人の事業所(サービス業の一部、農林業、水産業、畜産業、法務などは除く)

このように社会保険の加入において、「5」という数字は重要なポイントになってくるため、「51人以上」の次は「5人以上」だと思うのです。

改めて考えてみると「5」という数字は社会保険の中で、重要なポイントになっている場合が多いと思います。

例えば厚生年金保険から支給される年金を受給する権利は、5年が経過すると時効で消滅するため、請求が大幅に遅れてしまうと、過去5年分しか受給できなくなってしまうのです。

また「2」という数字も社会保険の中で、重要なポイントになっている場合が多いと思います。

例えば健康保険から支給される保険給付を受給する権利は、2年が経過すると時効によって消滅するため、この期間内に請求手続きを済ませる必要があるのです。

これに加えて社会保険の保険料を徴収する権利は、2年が経過すると時効によって消滅するため、例えば事業主が社会保険の加入手続きを忘れていた場合、遡って加入できるのは2年になってしまうのです。

このように社会保険において「2」と「5」は、重要なポイントになっている場合が多いので、社会保険に加入している方はこの二つの数字を、頭に入れておいた方が良いと思います。
posted by FPきむ at 20:18 | 年金について思うこと、考えること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする