2020年06月17日

金(ゴールド)、雇用保険と年金の積立金は、どれが最初に枯渇するのか?

令和2年(2020年)5月27日の日本経済新聞を読んでいたら、雇用保険、財政強化カギ 失業増で積立金枯渇の恐れと題した記事が掲載されておりましたが、一部を紹介すると次のようになります。

『新型コロナウイルス感染症の影響で、雇用保険の財政強化が課題になりそうだ。

大企業の多くが雇用調整助成金の申請に動き出し、中小企業の休業者が直接、申請・受給できる制度も新たにできる。

休業者や失業者が増え続ければ、積立金が枯渇する懸念がでてくる。特例的に引き下げている労使折半の保険料の見直しが必要になる可能性もある』

以上のようになりますが、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するために、各都道府県から事業者などに対して、自粛要請が出されました。

これを受けて休業者や失業者が急激に増えたため、雇用保険の保険料や積立金を財源にしている、失業手当や助成金の支給も、急激に増えたのです。

そのため冒頭で紹介した記事の中に記載されているように、雇用保険の積立金の枯渇が、懸念されるようになってきたのです。

安倍内閣が誕生してからの景気回復により、失業率の低下が続いたため、雇用保険の積立金は平成28年(2016年)3月末に、過去最大の6兆円超に達しました。

つまりわずか数年前までは、かなり余裕があったため、労使が負担する雇用保険の保険料を、法律で定められた水準より引き下げるという、特例措置を実施してきたのです。

そのため雇用保険の保険料を、法律で定められた水準に引き上げると共に、日本経済がコロナショックから回復して、失業率の低下が続けば、雇用保険の積立金が枯渇するという懸念は、払拭されるのではないかと思います。

給与から控除される雇用保険の保険料は、例えば一般の事業で、月給が20万円の場合、令和2年(2020年)度は月600円になります。

それに対して同条件の厚生年金保険の保険料は、月18,300円になるため、両者を比較すると、雇用保険の保険料はかなり安いのです。

ですから雇用保険の保険料が、法律で定められた水準に引き上げされても、それほど負担は重くならないと思います。

一方で厚生年金保険の保険料は、すでに高水準になっているため、積立金の枯渇が問題になって、保険料を更に引き上げした場合には、かなり負担が重く感じると思います。

そういえば令和元年(2019年)に、5年に1度のペースで実施されている公的年金の財政検証の結果が、厚生労働省から示されました。

この財政検証では経済成長や労働参加のデータを変えて、6つのシナリオを示しております。

この6つのシナリオの中で、もっとも経済成長や労働参加が進まないケースでは、国民年金の積立金が、あと30年くらいで枯渇すると試算されたのです。

そうなると枯渇を回避するために、国民年金の保険料を値上げする、年金額を引き下げる、増税して税金の投入を増やすなどの対策を、実施する必要があります。

ただこれらをやってしまうと、国民からの反発を招くため、厚生労働省は国民年金と厚生年金保険の積立金を統合して、国民年金の積立金の枯渇を、先延ばしにするつもりのようです。

これだけでは根本的な解決にはなりませんが、何もやらないよりは良いと思います。

ところで新型コロナウイルスの問題が発生してから、金(ゴールド)の価格が急上昇しているようです。

米ドルと金(ゴールド)は、一方が上がるともう一方が下がるという、「逆相関」の関係になっております。

ですから金(ゴールド)の価格が上がっているのは、FRB(アメリカの中央銀行)の大規模な金融緩和により、米ドルの価値が下がっているからだと考えられます。

そうなるとFRBが大規模な金融緩和を終了すれば、金(ゴールド)の価格は下がっていきそうな気がしますが、個人的にはそれほど下がらないと予想しているのです。

その理由として採掘可能な金(ゴールド)は、あと15年程度で枯渇すると、ゴールドマンサックスが予想しております。

もしこれが事実であれば、供給が減っていきますから、需要が変わらなければ、価格が下がらないと思うのです。

このように金(ゴールド)、雇用保険と年金の積立金の中で、最初に枯渇を迎えそうなのは、金(ゴールド)だと考えられます。

ただ金(ゴールド)はリサイクルできるため、たとえ枯渇を迎えても、まったく使えない訳ではないのです。

それに対して雇用保険と年金の積立金は、リサイクルできないため、枯渇を迎えた時には、そこで終わりになります。

しかも国民年金の積立金は、あと30年くらいで枯渇が迫っているため、この3つの中でもっとも対策が必要なのは、年金の積立金ではないかと思います。
posted by FPきむ at 20:51 | 年金について思うこと、考えること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする