2021年10月02日

今の年金制度でも実現できる、「セルフ税方式」と「セルフ積み立て方式」

令和3年(2021年)9月28日の会社四季報を読んでいたら、河野氏の年金改革案に批判集中、本人も「こだわらず」と後退 現実からあまりに乖離と題した記事が掲載されておりましたが、一部を紹介すると次のようになります。

『自民党総裁選に立候補した河野太郎行政改革担当相の主張する年金の抜本改革案が批判をあびている。

消費税率の大幅な引き上げにつながる可能性があるほか、新たに生まれる数百兆円規模の年金資金が市場のかく乱要因になるとの指摘が出ている。批判を受け、河野氏本人も発言を後退させた。

河野氏は著書「日本を前に進める」などで、20歳以上の全員が加入する基礎年金部分の財源を保険料から消費税に、会社員や公務員が加入する厚生年金部分は若い世代が高齢者を支える「賦課方式」から自分たちの世代から集めた資金を運用して将来的に給付する「積み立て方式」に切り替える案を主張していた。

基礎年金の税財源化で低所得者や年金未納者も最低保障年金を満額受給できるようにし、高齢者の生活保護を減らす狙いがある。

また厚生年金の賦課方式から積み立て方式への移行は、少子高齢化に伴い拡大する世代間の所得格差を減らす狙いだ。

河野氏の案は、他の3候補者から討論会で批判の的となったほか、党内からも批判が出ている。

所属する派閥の領袖、麻生太郎財務相は24日、基礎年金部分の財源を保険料から税金に切り替えた場合、「大幅に消費税を上げなければいけない」とし、民主党政権時代に廃案になった経緯を説明した。

政府が当時、設置した社会保障国民会議によれば、当時月7万円の最低保障年金を税金で賄う場合、将来的に7〜8%程度の消費増税が必要と試算された』

以上のようになりますが、河野さんが自民党の総裁に選ばれなかったので、記事の中に記載された年金制度の改正案は、幻に終わりました。

ただ基礎年金(老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金)を税方式に移行するには、7〜8%程度の消費増税が必要になるそうなので、河野さんが自民党の総裁に選ばれたとしても、実現は難しかったはずです。

また次のような「セルフ税方式」と「セルフ積み立て方式」なら、現在の年金制度でも実現できると思うのです。

(1)セルフ税方式
20歳から60歳までの40年間に渡って、国民年金の保険料を納付すると、令和3年(2021年)度額で780,900円となる老齢基礎年金を、原則65歳から受給できます。

また基礎年金の財源の2分の1は税金になるため、例えば20歳から60歳までの40年間に渡って、全額免除を受けた場合には、満額の2分の1となる390,450円の、老齢基礎年金を受給できるのです。

かなり金額は少ないですが、国民年金の保険料をまったく納付しなくても、これだけの金額を受給できるのですから、ありがたい話だと思います。

また国民年金の保険料を、まったく納付していないので、「全額免除=税方式」と言っても、過言ではないと思うのです。

ただ全額免除を受けるには自分自身(セルフ)で、申請手続きを行う必要があるので、セルフ税方式になるのです。

なお給与を受け取っている会社員の方が、全額免除を受けられる収入の目安額は、次のようになっているため、申請すれば全額免除を受けられる方は、意外に多いのではないかと思います。

■扶養家族がいない
→年収122万円(所得57万円)
■扶養家族が1名(配偶者)
→年収157万円(所得92万円)
■扶養家族が2名(配偶者、16歳未満の子供が1名)
→年収207万円(所得127万円)
■扶養家族が3名(配偶者、子供が2名:子供の1名は16歳以上23歳未満)
→年収257万円(所得162万円)

(2)セルフ積み立て方式
現役世代が納付した公的年金の保険料の大部分は、現在の年金受給者に対して、年金として配分されております。

こういった国を通じた仕送りのような仕組みは、「賦課方式」と呼ばれているのです。

冒頭の記事によると河野さんは、会社員や公務員などが納付した厚生年金保険の保険料を、「積み立て方式(自分達が納付した保険料を、将来に自分達が受け取る)」に切り替えたいようです。

なかなか興味深い意見だと思うのですが、河野さんが自民党の総裁に選ばれなかったので、この改正案は幻に終わりました。

ただ現在でもiDeCo(個人型の確定拠出年金)という、積み立て方式の年金があるため、これを利用している方は将来に受給する年金の一部が、積み立て方式に切り替わっているのです。

このiDeCoは加入要件を満たすと、強制加入する公的年金と違って、任意加入の制度になります。

そのため加入したいと思う方は、自分自身(セルフ)で手続きを行う必要があるため、iDeCoはセルフ積み立て方式の年金になるのです。

また河野さんが提案した積み立て方式は、厚生年金保険の加入者が納付した保険料を、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のような公的な機関が、運用するのだと思います。

一方でiDeCoは拠出した掛金の運用方法を、自分自身(セルフ)で考える必要があるのです。

こういった意味でもiDeCoは、セルフ積み立て方式の年金になると思うのです。
posted by FPきむ at 20:08 | 年金について思うこと、考えること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする