2013年07月23日

平成25年(2013年)の税制改正と投資信託

投資信託の分配金、もしくは売却益に課税される税金については、8月7日のブログで紹介しました。

しかし「公社債投資信託」については、平成25年(2013年)の税制改正により、平成28年(2016年)1月1日から大幅に変更されますが、主な変更点としては次の二点になります。

(1)源泉分離課税から申告分離課税へ
公社債投資信託の分配金、もしくは売却益に課税される税金は現在、20%(所得税15%、住民税5%)の「源泉分離課税」になります。

注:平成25年(2013年)から平成49年(2037年)まで、「復興特別所得税」が上乗せされるので、正確な税率は20.315%になります。

要するに証券会社などが投資家に、分配金もしくは売却益を渡す時、その20%を控除してから渡すので、確定申告をする必要はありません。

ただ平成28年(2016年)1月1日からは、「申告分離課税」になります(20%の税率は変わりません)ので、証券会社などは投資家に、分配金もしくは売却益を渡す時、それらの20%を控除しなくなります。

注:申告分離課税とは名前の通り、いくら儲かったか、また税金はいくらになるかなどを投資家が、自分で税務署に「申告」する方式で、また他の所得と合算しないで、「分離」して課税する方式になります。

つまり公社債投資信託の分配金、もしくは売却益を受け取ったら確定申告を行い、その金額や自分で計算した税金の金額を、税務署に申告しなければなりません(もちろん自分で計算した税金の金額を、納付しなければなりません)。

ただ公社債投資信託が源泉分離課税から、申告分離課税に変更される事に伴い、公社債投資信託を特定口座に受け入れる事が可能になります。

ですから「特定口座(源泉徴収あり)」を選択しておけば、証券会社などが投資家に分配金もしくは売却益を渡す時、その20%を控除してから渡すので、確定申告をする必要はありません。

なお平成27年(2015年)12月31日以前に取得した公社債投資信託についても、平成28年(2016年)1月1日以降に特定口座へ移せます。

(2)譲渡損失の損益通算と繰越控除
譲渡損失の損益通算と繰越控除については、8月7日のブログの後半で紹介しましたように、株式投資信託の組み合わせで利用できる制度になります。

しかし平成28年(2016年)1月1日以降に公社債投資信託が、源泉分離課税から申告分離課税に変更される事に伴い、公社債投資信託の組み合わせ、または株式投資信託と公社債投資信託の組み合わせでも、これら制度を利用できるようになります。

なお譲渡損失の損益通算と繰越控除を利用するためには原則として、確定申告をしなければなりませんが、(1)に記載しましたように公社債投資信託についても、特定口座に受け入れる事が可能になります。

つまり「特定口座(源泉徴収あり)」を選択しておけば、損益通算の計算につ
いては、証券会社などが行ってくれます
ので、確定申告をする必要はありません(繰越控除については特定口座か否かにかかわらず、確定申告をする必要があります)。

以上のようになりますが、投資信託に関する平成25年(2013年)の税制改正とは、今までは差異があった公社債投資信託と、株式投資信託の課税方式が、ほぼ同じになるという事です。

なお株式投資信託の分配金、もしくは売却益に課税される税金は、原則20%になっておりますが、特例の10%が延長を繰り返してきたので、10%が当たり前のようになっております。

注:平成25年(2013年)から平成49年(2037年)まで、「復興特別所得税」が上乗せされるので、正確な税率は10.147%になります。

しかしその特例も平成25年(2013年)12月31日で、ついに終了する事となり、原則の税率である20%に戻りますが、その代わりに平成26年(2014年)1月1日から小規模投資非課税制度、愛称は「NISA」(7月18日のブログを参照)が始まります。
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2012年09月02日

投資信託の運用報告書とは

投資信託の運用報告書とは投資家に対して、運用成果や実際にかかった手数料などを報告するものですが、これを見ると目論見書(8月28日のブログを参照)の方針通りに、投資信託が運用されているかがわかります。

また運用報告書は決算を迎えるごとに作成されますが、年に1回決算を行なう投資信託は年に1回、年に2回決算を行なう投資信託は年に2回、運用報告書が作成されます。

ただ毎月決算を行って毎月分配金を支払う投資信託など、決算から次の決算までの間が半年未満の投資信託は、年に2回運用報告書が作成されます。

運用報告書は上記のタイミングで作成された後、販売会社から投資信託を保有している投資家に送付されますが、最近では運用会社のサイトから見る事もできます(販売会社と運用会社の違いについては、8月5日のブログを参照して下さい)。

運用報告書をよく読んで、今後もその投資信託での運用を続けていくかの判断をしたいところですが、特に注意して読んでおくべき点を紹介しますと次のようになります。

(1)基準価額とベンチマークの推移
基準価額(7月30日のブログを参照)とは、下記の計算式で導き出される、投資信託の1万口あたりの価格になります。

(純資産総額−信託報酬などのコスト)÷総口数×基準単位

またベンチマークとは投資信託の運用において、その運用目標となる指数を示しますが、日本株式を組み入れた投資信託の場合、TOPIXや日経平均株価などがベンチマークになります。

プロの運用担当者であるファンドマネージャーが株式、債券、その他有価証券などの銘柄および、投資割合を決定するアクティブファンドでしたら、基準価額の騰落率がベンチマークの騰落率より優れている事が、良い投資信託の目安になります。

しかしこのブログでおすすめしているインデックスファンド(7月3日のブログを参照)は、基準価額とベンチマークの乖離の少なさが、良い投資信託の目安になります。

(2)純資産総額の推移
例えば日本株式を組み入れて運用する投資信託の場合、銘柄ごとに「株式市場で1日の最後に付いた値段×株式の保有数」を算出し、それを合計したものが純資産総額になります。

純資産総額が一定額を下回ると、途中で運用を打ち切ってしまう場合がありますので、純資産総額が極端に減少を続けていないか調べておきます。

(3)1万口(元本10,000円)当たりの費用明細
投資信託の運用期間中には、信託報酬(7月12日のブログを参照)という手数料がかかりますが、パーセンテージで表示されているので、具体的な金額がいくらになるのかはわかりません。

また投資信託の運用期間中には信託報酬以外にも、保管費用や監査費用など、隠れた手数料が発生している場合があります。

この二つの疑問を解決してくれるのが、「1万口(元本10,000円)当たりの費用明細」ですが、1万口あたりの具体的な信託報酬の金額、また1万口あたりの隠れた手数料の金額が記載されております。

信託報酬が同じ投資信託でも、隠れた手数料で大きく差が付いてしまう場合がありますので、この点は十分に確認をしておきます。

(4)株式売買比率
株式を投資信託に組み入れている場合、運用報告書に株式売買比率が記載されておりますが、これは「期中の株式売買金額÷期中の平均組入株式時価総額」で算出されます。

この数字を見ると、投資信託に組み入れられている株式の時価総額に対して、どれだけ株式の売買をしたのかがわかりますが、純資産総額が増えている時には新たな株式を購入しているので、さほど気にしなくても構いません。

しかし純資産総額が増えていない(新規の資金が流入していない)のに、株式売買比率が高い場合は要注意になりますが、その目安となるのは株式売買比率が「1」を超えているどうかです。

もし「1」を超えていたら投資信託に組み入れられている株式が、全部入れ替わったという意味になりますので、かなり頻繁に売買をしていた事がわかります。

(5)分配金の実績
運用報告書には分配金の実績が記載されておりますが、分配金が支払われる回数や金額が、できるだけ少ない投資信託を選んだ方が良いのです。

またその分配金は投資家に現金として支払うのではなく、再投資される投資信託の方が良いのですが、これらの理由については8月23日のブログに記載しました。

以上が運用報告書の中で、特に注意して読んでおくべき点になりますが、決算から次の決算までの運用状況については、週報(ウイークリーレポート)や、毎月1回更新される月報(マンスリーレポート)などを見るとわかります。
posted by FPきむ at 20:02 | 投資信託で自分年金を作る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする