2011年08月16日

収入と所得の違いとは

国民年金法や厚生年金保険法などの年金各法の条文を読んでいると、「年収が○○円未満」とか「年間所得が○○円未満」といった表現が、頻繁に登場します。

自営業者の方は自分で確定申告をしますので、収入と所得の違いなど説明するまでもないと思いますが、会社員の方は年末調整で所得税の精算が済んでしまいますので、このふたつの違いがわからない方が多いと思います。

しかし定年退職をして年金生活が始まれば、会社員の方も確定申告をしなければならなくなりますので、収入と所得の違いは知っておく必要があります。

そこで自営業者、会社員、年金生活者を例に収入と所得の違いを解説しますが、収入と所得以外に課税所得という言葉も覚えておいた方が良いと思います。

(1)自営業者(個人事業主)の場合
自営業者の場合は1月1日から12月31日までの売上を集計して一年間の「収入」(年収)を計算しますが、この「収入」を得るため家賃、通信費、従業員の給与などを支払うと思います。

この「収入」を得るために支払ったお金を「経費」と言いますが、「収入」から「経費」を引くと「所得」(年間所得)が導き出されます。

そして家族がいる方は扶養控除、生命保険に加入している方は生命保険料控除と様々な所得控除がありますが、上記の「所得」からこの所得控除を引いた金額が「課税所得」になり、これに税率を掛けてその年の所得税を計算します。

(2)会社員の場合
会社員の場合は1月1日から12月31日までの給与(交通費は除くが各種手当は含む)を集計して一年間の「収入」(年収)を計算しますが、「経費」は自営業者のように、いくらになるのか計算できません。

しかし会社員も「経費」は支払っているので、給与所得控除という仕組みを作り、自営業者の「経費」と同じ扱いにしました。

つまり「収入」から給与所得控除を引いた金額が「所得」(年間所得)になりますが、この後の計算は自営業者と同じです。

(3)年金生活者の場合
年金生活者の場合は1月1日から12月31日までの年金(厚生年金基金や国民年金基金、適格退職年金から支給される年金も含む)を集計して一年間の「収入」(年収)を計算しますが、「経費」は自営業者のようにいくらになるのか計算できません。

そこで会社員と同じように公的年金等控除という仕組みを作り、自営業者の「経費」と同じ扱いにしましたが、つまり「収入」から公的年金等控除を引くと「所得」(年間所得)になります。

この後の計算は自営業者や会社員と同じですが、公的年金等控除は65歳以上になると金額が大きくなりますので、税負担は軽くなります。

以上で収入と所得の解説を終わりますが、実際に確定申告をする時には、もう少し所得税の知識が必要になります。

しかし「収入−経費=所得−所得控除=課税所得×税率=所得税」を覚えておけば、自分で確定申告をするのも難しくないと思います。
posted by FPきむ at 00:40 | 年金と税金 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする