2017年09月14日

「老後が危ない!」は夫婦の年金額を元に、支出の目標額を解説する一冊



数日前にファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんが書いた、老後が危ない!という本を読みました。

この本は余裕資金の運用方法、住宅ローンの見直し、老後の住まい、老後の保険、病気や介護への備え、相続対策、退職後に必要な手続きなど、老後の生活に必要な知識が幅広く記載されており、とても役に立つと思いました。

そういった中で、この本ならではだと思ったのは、次のように夫婦の年金額の合計(手取り)が16万円、20万円、24万円、12万円だった場合を想定して、支出の目標額を解説している点です。

(1)夫婦の年金額の合計(手取り)が「16万円」だった場合
夫婦の年金額の合計が16万円だった場合、支出の目標額は次のような金額になるようです。

食費:3万円
日用雑貨費:1万円
光熱・水道・電話代:2万円
教養娯楽費:1万円
レジャー費:1万円
交際費:1万円
医療費:1万円
被服費:5千円
夫小遣い:2万円
妻小遣い:1万円
雑費:5千円
社会保険料:2万円

なお著者の畠中さんは、夫婦の年金額の合計が16万円だった場合、次のような点が大切だとしております。

『年金が16万円の場合、ひと月の食費の予算は3万円程度に抑えたいもの。

前のページでもご紹介したとおり、年金は2カ月に1度の支給になりますので、2カ月で6万円程度に食費を抑えるのが目標になります』

(2)夫婦の年金額の合計(手取り)が「20万円」だった場合
夫婦の年金額の合計が20万円だった場合、支出の目標額は次のような金額になるようです。

食費:4万円
日用雑貨費:1万円
光熱・水道・電話代:2万5千円
教養娯楽費:1万5千円
レジャー費:1万5千円
交際費:1万5千円
医療費:1万5千円
被服費:5千円
夫小遣い:2万円
妻小遣い:1万円
雑費:1万円
社会保険料:2万円

なお著者の畠中さんは次のように、夫婦の年金額の合計が20万円ある事が、赤字を出さないための最低ラインと考えているようです。

『実際に年金額がひと月20万円あると、食費や公共料金、教養娯楽費などの基本生活費は、年金収入の中だけでやりくりするのも無理なことではありません。

年金暮らしの家計診断をしている中では、この20万円という金額が、赤字を出さずにやりくりできる年金暮らしの最低ラインになるようにも感じます』

(3)夫婦の年金額の合計(手取り)が「24万円」だった場合
夫婦の年金額の合計が24万円だった場合、支出の目標額は次のような金額になるようです。

食費:5万円
日用雑貨費:1万円
光熱・水道・電話代:3万円
教養娯楽費:1万5千円
レジャー費:1万5千円
交際費:2万円
医療費:2万円
被服費:1万円
夫小遣い:2万5千円
妻小遣い:1万円
雑費:5千円
社会保険料:3万円

なお著者の畠中さんは次のように、夫婦の年金額の合計が24万円ある場合には、冠婚葬祭費などのために使う、予備費の予算を立てる事が可能だとしております。

『年金月額が20万円くらいまででは、予備費の予算までは取りにくいですが、24万円の年金があれば、ひと月2万円程度は予備費の予算を立てることができます。

予備費の予算を立てておくと、不意の出費があった場合に、予備費から捻出することができるようになります』

(4)夫婦の年金額の合計(手取り)が「12万円」だった場合
夫婦の年金額の合計が12万円だった場合、支出の目標額は次のような金額になるようです。

食費:3万円
日用雑貨費:5千円
光熱・水道・電話代:2万円
教養娯楽費:5千円
レジャー費:5千円
交際費:5千円
医療費:1万円
被服費:0円
夫小遣い:1万5千円
妻小遣い:1万円
雑費:5千円
社会保険料:1万円

なお著者の畠中さんは次のように、夫婦の年金額の合計が12万円しかない場合には、赤字を出さないでやりくりするのは、かなり難しいと考えているようです。

『年金月額12万円というのは、厚生年金の加入期間が短かったり、自営業者のご夫婦の場合に考えられる年金額です。

自営業者のご夫婦で、仕事を続けながらの12万円であれば、それなりに生活は成り立つかもしれませんが、年金だけで暮らしていく場合の12万円は、厳しいやりくりを強いられるはずです』

以上のようになりますが、これを見ると「居住費(例えば住宅ローンなど)」や、「支払保険料(例えば生命保険など)が、全く記載されておりません。

これについて著者の畠中さんは、住宅ローンは返済方法の見直しなどにより、定年までに返済を終わらせるべきだとしております。

また生命保険は次のように、死亡保障は見直して、医療保障は残しても良いとしております。

『また、年金暮らしになってからも生命保険料などの負担が数万円単位で続いているご家庭をよく見受けます。死亡保障の保険は、見直しておく必要があります。

医療保険の保険料支払いは仕方がありませんが、その場合でも夫婦の保険料の合計額は1万円から1万5000円までに収めることが大切です』

更に老後が危ない!を読み進めていくと、各支出項目の見直し方法なども記載されているので、これから年金生活を始める方や、赤字が続いて悩んでいる方には、参考になる部分が多い一冊だと思います。
posted by FPきむ at 20:09 | 年金生活に関連する知識と本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月02日

「普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話」は節約否定の一冊



最近は公的年金に不安を感じる方が多いため、週刊誌などを見ると、老後資金を貯める方法を解説した記事を、よく見かけるようになりました。

こういった記事はだいたい、「収入を増やす方法(例えば資産運用)」を解説したものと、「支出を減らす方法(例えば節約)」を解説したものに、分かれると思うのです。

先日普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話(著:佐藤治彦)という本を読んでいたら、この節約について次のような、否定的な意見が記載されておりました。

『私は、人生は若いときも中年のときも、そして老後を迎えても、楽しむべきだと考えます。

適度な消費生活をし、面白い経験もして、人生の思い出をたくさん築いて老いていくべきです。その方が幸せです。

節約と苦労ばかりで老後を迎えても、自分の人生はなんて大変だったんだ、楽しい思い出はない、というのでは残念です』

『若いときにおいしいものを食べずに、70歳になってお金があるから、さあ食べようといっても若いころの食欲はないものです。

若いころにキレイな服を着ずに、75歳になってブランドもののドレスに袖を通したらどんな気持ちでしょうか。

80歳になって海外旅行をしても、体力も脚も弱っていてちゃんと観光できません』

以上のようになりますが、要するに老後資金を貯めるための節約で、老後を迎える前の人生を、苦しいものにしてはいけないという事です。

このように苦しい節約をしないで、老後資金を貯める方法について、普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話には、次のような例が記載されておりました。

(1)大きな支出(固定費)の無駄を見直す
FP(ファイナンシャル・プランナー)が書いた節約に関する本を読むと、節約するなら食費や水道光熱費などの「変動費」より、生命保険の保険料などの「固定費」から取り組みましょうと、記載されている場合が多いと思います。

その理由としては、変動費より固定費を節約した方が、大きな金額を減らせるため、節約の成果を実感しやすく、また固定費は1回見直すだけで、その節約効果が続いていくからです。

これと同様のアドバイスが、普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話にも記載されており、そのアドバイスとは次のようになります。

『底値表をつけて1円でも安く買い物をする、例えば冷蔵庫の扉は10秒以上開けないとか、トイレのタンクにペットボトルを入れて流れる水量を少なくするといった、気持ちまでめげてしまう(もっと正直に申し上げると、貧乏ったらしい)節約術はやめませんか?ということです。

それに、ほとんど効果はありません。それなら住宅、保険、教育、投資といった大きな支出の部分の無駄についてもっと考えたほうがいい、ということです。それらは、毎日の節約術より、遥かに貯蓄効果があるからです』

(2)節約ではなく無駄を削る
「要らないもの、欲しくないものは持たない、買わない」というように、無駄を削っていけば、気持ちまでめげてしまう、貧乏ったらしい節約をしなくても、お金は適度に貯まっていくそうです。

どういう行為が無駄なのかについて、普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話には、次のような例が記載されておりました。

『正価(バーゲン前の定価)は高い、だから、節約のつもりでバーゲンに行く。そして、結局は値段が安いことが気に入り、大してほしくない無駄なものを買う。

洋服自体はそれほど好きだったわけではないのですから、あまり着ないのが当然です。こういう買い物が私のいう無駄であり、支出の最大の敵なのです』

『分かりやすく申し上げると、1万円の洋服を気に入って50回着たら、1回につき200円です。バーゲンで買った5000円の洋服も5回だけしか着なかったら、1回1000円です』

また無駄を削るには次のように、あえて正価で買った方が良いというアドバイスが記載されておりました。

『もしも、バーゲンで買うのが当たり前な生活をされている方なら、正価で買うことには、ものすごく抵抗があると思います。値段は高い。割引がない。いや店から購入するときは確かに高いのです。

でも、だからこそその値段でも自分は本当に欲しいのか、着るのか使うのか、ほかに欲しいブランドはないのか、コーディネートするときにふさわしいものを持っているのか、徹底的に商品自体にこだわると思います』

(3)節約より健康を維持する
健康を維持する事は、節約より重要度が高いそうですが、その理由について普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話には、次のような説明が記載されておりました。

『健康であれば、医療費も、介護費用も少なくてすみます。自分だけではなく家族や周りにも負担をかけずに済みます。それらのお金はほかのものに回せます。

健康は、楽しく経済的に、豊かに老後を過ごしていく大きな土台となります。

そして、高齢になってから気をつけるよりも、若いうちからケアをしているほうが、老後も健康で過ごせる確率が高くなります。

食生活、生活習慣、運動、メンタル面など自己管理をして人生を送ってきたかどうか、その結末が老後に結実するのです』

以上のようになりますが、こういった事はすごく当たり前の話でありながら、健康管理を疎かにしている方は多いと思うのです。

またお金より健康が大切という話ではなく、幸福な老後を送るには、お金、健康、人間関係、趣味、生き甲斐などを、バランスよく考える事が、大切になってくるようです。
posted by FPきむ at 20:43 | 年金生活に関連する知識と本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする